お子さんのGlue ear (滲出性中耳炎:耳管の粘液閉塞)は、時に痛みを伴わないため、気づきにくいもの。慢性になってくると、聴力への影響も心配なものです。そんな時に使うホメオパシーのレメディなどについて説明しています。
Keywords : glue ear, otitis media, 滲出性中耳炎、耳管の粘液閉塞、難聴、耳の浸出液、耳管の詰まり
今年の冬は、
「風邪が長引いてなかなか治らない」
「風邪の後、咳が数週間止まらない」
「風邪の後、耳が詰まった感じがする」
などといったお問い合わせが薬局でも目立ちました。
この2年間、ロックダウンなどで、外に出ることが少なく、他人との交流も減ったため、免疫力が落ちてきて来たものとも考えられます。
免疫力は、普段から、菌やウイルスにさらされることで、鍛えられていくもの。
医療従事者の方々が、風邪を引きにくいのは、普段からいろんな菌やウイルスにさらされて、免疫力が鍛えられているものとも考えられます。
スポーツをしていていも、普段から筋肉を鍛えていなければ、本番で発揮できないのと同じ。
よっぽど特殊な病気で免疫力が落ちていない限り、できるだけ普段から、鍛えておきましょう。
今回は、お問い合わせが多かった、お子さんのglue ear(滲出性中耳炎:耳管の粘液閉塞)に使われるレメディについてご紹介します。
滲出性中耳炎は、小児によく見られる症状で、鼓膜の奥の中耳に浸出液がたまる症状。鼻と耳は「耳管」で繋がっており、気圧の調整などを行なっていますが、うまく働かないと、粘膜から滲み出てきた浸出液が中耳腔にたまります。
子供の耳管は、大人と比べて、長さが短く、傾斜も緩やか。細菌やウイルスなどが、耳管に侵入しやすいのも原因と言われています。
小児の難聴の原因として最も多いもので、慢性化すると治りにくこともあるため、注意が必要となります。
Tip #1 - 環境に気をつけよう
アレルギー等から、耳の炎症を引き起こしやすい場合、タバコの煙、ほこり、動物の毛などのアレルゲンをできるだけ少なくするように、こまめに掃除したり、フィルター付きの空気洗浄器を取り入れるのもいいでしょう。
Tip #2 - 食べ物も気をつけよう
乳製品を避けること。小麦製品、とうもろこし、柑橘類、ピーナッツバターなどもできれば避けるようにしましょう。
Tip #3 - Craniosacral Therapy(クラニオセイクラルセラピー:頭蓋仙骨療法)を取り入れる
頭蓋骨の骨の位置を整えてバランスを取るだけで、耳の痛み、頭痛などが緩和することが多いです。
Tip #4 - ホメオパシーのレメディ
Calc Carb
風邪を引くたびに耳の感染症に至るような場合。慢性化し、聞こえにくい。
寒くなったり、気温の変化で起こしやすくなる。鼻をかむときやくしゃみ、飲み込むことで悪化する。
Chamomilla
耳の痛みがひどく、とても敏感である。耳を触られるのが嫌で、冷たい空気で悪化する。抱っこされることで落ち着く。あったかいものに包まったり、動くことで落ち着く。
乳児や幼児によく使われる。
Kali Mur
慢性化した滲出性中耳炎に。飲み込んだり、顎を動かしたときに、耳の中がガサガサ音がしたり、空気が抜ける感じがするときに。
Kali Sulph
浸出液が多く、副鼻腔が詰まったり、気管支にも炎症があり、滲出性中耳炎もある時に。慢性中耳炎から難聴がある時に。黄色い浸出液が見られるときに。口呼吸し、いびきをかいている。
Merc Dulcis
耳管が詰まり、聞こえにくく、難聴、Glue Ear(滲出性中耳炎)に進展しているときに。水泳後に中耳炎に発展するときに。
Pulsatilla
よく使われるレメディの一つ。風邪から中耳炎に進展する。耳が破裂しそうで、ものが詰まっている感じがする。耳がどくどく脈を打つ感じがする。鼻をかんだり、夜や暑さで悪化し、新鮮な空気や動くことで軽快する。
Silicea
慢性化した滲出性中耳炎(粘液が詰まっている)で、難聴や慢性の痛みに使われるレメディ。痛みが鼓膜が破裂することで落ち着く。耳が詰まった感じがして、耳の中がガサガサ音がしたり、空気が抜けるような感じがする。あくびや飲み込むことで軽快する。
慢性の難聴で最初に使われるレメディ。時に粘性の強い浸出液や匂いの強い粘液などが見られる。季節の変化、夜、風邪、隙間風、位置を変える、大きい音、鼻をかむ、耳を被わないことで悪化。
温める、耳を覆うことで軽快。
Tip #5 - Plantago Tinctureも併用しよう
Plantago(プランテーゴ)は昔から伝統的に使われているハーブで、粘膜の炎症を和らげ、抗炎症作用を持ち、組織の修復を行う働きがあります。痰を出しやすくしたり、組織の修復を促すことで、耳からの浸出液減少を期待できると言われているもの。
イギリスで販売されている、A.VogelのPlantago Dropsは、2歳から使用できるもの。
薬局やヘルスショップでも購入できます。
お子さんの症状は心配ですよね。
ホームケアの場合、上記の内容から、個々の状態にあったものを取り入れて、ご活用ください。
但し、
なかなか治らない時には、自分でどうにかしようとせず、速やかに医師の診察を受けること。
ご自身でレメディなどを試してみても、改善がみられない場合は、速やかに医師の診察を受けるようにしてください。
また、風邪を繰り返し引いて、「お子さんの免疫力が弱っているのでは?」と感じる時には、ホメオパスと、きちんとコンサルテーションをして、Constitutional remedy(体質レメディ)などを選んでもらい、体全体からトリートメントすることをお勧めします。
かかりつけのホメオパスがいる場合は、その旨も含めて相談するのもいいでしょう。
私も、オンラインやイーリングクリニックで、コンサルテーション(健康相談)を承っています。
また、急性症状においても、コンサルテーションを行なっています。
ご予約をご希望の方は、下記のボタンよりご利用ください。
上記の内容から、個々の状態にあったものを取り入れて、ご活用ください。
Love and gratitude
Hiroko