top of page
hirokohomeopathy

「急性」と「慢性」の処方の違いについて

「急性」と「慢性」の違いについて、また、ホメオパシーのレメディの選び方の違いについて述べます。


急性症状、慢性症状、急性コンサルテーション、処方の違い、レメディの選び方



薬局ではいろいろな質問を受けますが、「長い間〇〇なんだけど、レメディ処方して欲しい」と言われることはよくあります。

とりあえず症状を緩和するためのレメディだけ処方できる時もあれば、「きちんとコンサルテーションをした方がいい」と考えられるため、その旨を説明することもあります。


ホメオパシーは、お医者さんと違って「診断名」のみで処方するのではなく、「症状の特徴」に基づいて処方します。そのため、同じ病名を持っていても、使うレメディは違うものになってきます。


体に起こる症状は、様々な状況から発生しますが、ここでは、「急性」と「慢性」の症状の違い、また、レメディの選び方の違いについてお話しします。


「急性症状」と「慢性症状」では、症状の起こり方に違いがあります。



#1 - 急性症状について


急性の症状は、文字の通り「突然発生する症状」で、症状が起こっている期間は短いもの。

例えば、風邪や怪我など、突然何かがきっかけとなって起こる症状のことを指します。



#2 - 慢性症状について


慢性の症状とは、「一定期間の負荷が引き金となって起こる症状」で、症状が起こっている期間が長いもの。


家族性のもの、遺伝的なもの、食生活、感情のパターンなどをはじめとする、生活習慣から、長い期間、積み重なって起こる症状のことを指します。


また、一時的に「急性の症状」が良くなっても、頻繁に何度も繰り返して発生する場合は、奥底に隠れている感受性なども含めて、「慢性」として考える方がいいでしょう。



#3 - 急性症状におけるレメディの選び方


レメディを選ぶとき、まずは患者さんの状態をしっかり観察することから始まります。

「痛い」といっても症状は様々!チクチク痛いのか、ズキズキ痛いのか、重い痛みなのか?どこが痛いのか?これらを詳しく観察することで、より特徴が近いレメディを選んでいくことができます。


ホメオパシーで、症状を観察するときにCLAMS(クラムズといいます)を使います。これは


C : Concomitant (同時に併発している症状)

L : Location (部位、場所)

A : Aetiology (原因となった出来事など)

M : Modarity (環境などによる症状の変化)

S : Sensation (感覚、感じる症状)

の頭文字の略で、症状を観察するときに見ていく項目です。


急性症状のレメディを選ぶときは、症状におけるキーワードを見つけ、そこから該当するレメディを選んでいきます。


Concomitant(同時に併発している症状)はメインの症状のほかにも併発している特徴的な症状があるかを見ます。例えば高熱が出ているけれど、そのほかに頭痛がするなど、他の症状も取り上げます。


Location(部位、場所)はどの部位に症状があるのかを観察します。右側、左側、頭痛であれば、こめかみ、頭頂部、おでこ、後頭部など痛む部位を観察します。


Aetiology(原因となった出来事など)は原因となった、または症状が誘発されたと思われる出来事など。例えば、寒い冬に長い間バス停でバスを待っていて風邪を引いてしまったなどです。


Modarity(環境などによる症状の変化)はこの環境にいると症状が軽快する、悪化するなどの特徴を探し出します。例えば、「部屋の中では頭痛がひどいけれど、外に出ると良くなる」「腰を温めると痛みは治まるけれど、冷やすと悪化する」などといった特徴です。


Sensation(感覚、感じる症状)は症状の感じ方。例えばじんましんがでたときにかゆみとともに熱を感じる、焼けるようにヒリヒリするなど、感じ方が各々の症状で違うときがあり、それらを観察します。


例えば、風邪であれば、


「高熱」

「喉の痛みがどんな感覚なのか?」

「右側が痛いのか?左側が痛いのか?」

「唾を飲み込むときにどんな感じなのか?」

「鼻水の色は?」

「咳は乾いた咳か、湿った咳か?」

「痰の色は?」


など、鍵となる症状の状態から、特徴に該当するレメディを選んでいきます。


セルフケアで、急性症状においてホメオパシーを使う時、レメディを選ぶために、じっくり観察して、症状の特徴を掴むところから始まります。症状の状態をいろんな角度から観察して、レメディを選んでいきます



#4 - 慢性症状におけるレメディの選び方


慢性症状の場合、普通お医者さんから「はい」と渡されるような薬とは、全く違う選び方となります。

なぜなら、ホメオパシーは「診断名」のみで処方するのではなく、「症状の特徴」から処方するため、一人一人選ばれるレメディは違って来るためです。


慢性症状の場合、これが顕著に差が出てきます。


急性症状における処方の方法と、慢性症状における処方の方法には大きな違いがあります。お家でセルフケアで使うレメディの選び方や急性症状におけるレメディの選び方は、目の前にある症状とその付随する状態に焦点を置きます。しかし、慢性症状における処方の方法は様々で、ホメオパスは、クライアントさんの」状態によって、どのアプローチ法を使うか決定します。


ホメオパスとコンサルテーションを行うにあたって、いろんな角度からの質問を受けるでしょう。


「現在呈している症状の特徴」はもちろん、


「出産時、生まれた時の状態はどうだったのか?」

「お母さんのお腹の中にいたときはどんな状況だったのか?」

「ご先祖さまはどんな病気を患っていたのか?」

「家族的に癌の多い家系なのか?」

「アレルギー性疾患の多い家系なのか?」

「家族との関係」

「食習慣」

「生活習慣」

「ストレスの度合い」

「感情の起伏の度合い」

「今までの病歴」

「服用している薬やサプリメント」

「人生の中であったトラウマについて」


などを聞き出していきます。


慢性の症状は、症状が病気として表面に出てくるまでに、時間をかけて形として現れるものと考えられています。

トラウマや物事が起こった時の捉え方、反応の仕方、感情のパターンから行動に移るまでのパターン、環境状態など、多岐にわたる要因から成り立つものと考えられているためです。


ホメオパスは、それらの情報から、現在悩んでいる症状との関連性、全ての状況において深く掘り下げて分析し、体全体を見て、一体何が起こっているのか割り出して、該当するたくさんのレメディから、個々の状態にあった、症状だけでなく、人全体を癒すレメディを選んでいきます。


このように、慢性症状でレメディを選ぶ過程、症状に対するアプローチは、さまざまな方法があり、急性症状が起こった時にセルフケアで処方する方法とは全く違う手段を使います。



おわりに


「急性」と「慢性」の症状の違い、レメディの選び方の違いについて説明しました。


風邪などの「急性症状」の場合は、セルフケアなど、ホメオパシーをお家で活用できるものです。

しかし、長引く「慢性症状」の場合は、自分で試してみてもいいですが、きちんと分析し、処方をもらった方が、より個人の状態にあったレメディを選ぶことができるでしょう。ホメオパスは、慢性の複雑な症状に対して処方を選ぶ、訓練を修了している専門職です。


私も「急性コンサルテーション(Acute Consultation)」「慢性症状におけるコンサルテーション(Initial/subsequent Consultation)」を承っています。


ホメオパシーのコンサルテーションがどんなものなのか、まずはお話をしてみたいという方、15分の無料チャットを受け付けています。ご予約は下のボタンから。




また、レメディのポテンシーと投与量についてのブログも書いています。セルフケアにホメオパシーを活用中の方、記事はこちらから。



ホメオパシーを使って、健康で幸せな生活を!


Love and gratitude

Hiroko

bottom of page