普段の生活の中で、便秘は時々起こるもの。忙しくてトイレに行く時間を逃したり、普段と違うものをべたり、旅行に出かけた先で起こったり・・・。
このブログでは、便秘とホメオパシーについてお話しします。
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便秘は大腸の動きが鈍くなり、通常より水分の吸収が過剰に進む場合に起こります。この状態により、便が硬く、凝縮されて、さらに便を体外に出しにくくしてしまいます。
この状態が長く続くと、体から排出されるべき毒素などが出て行かないため、ホルモンバランスが崩れたり、腸内細菌のバランスも崩れていってしまいます。
#1 - 主な原因
人によって排便回数はさまざまですが、便秘は排便が週3回よりも少ない場合に便秘と呼びます。機能性便秘と器質性便秘に分かれ、機能性便秘は、さらに4つのタイプに分かれます。
機能性便秘
#1 - 食事性便秘
繊維質の少ない食事、加工食品の多い食事、少食により、腸管への刺激が少ないために起こる便秘
対策としては、規則正しい食事と、繊維質の多い野菜や果物を多く食事に取り入れる
#2 - 習慣性(直腸性)便秘
下剤や浣腸の誤用、乱用により、度重なる便意の抑制により起こる便秘。直腸の感受性が低下し、糞便が送られてきても、直腸が反応しにくく、便意が起こりにくいために起こる便秘です。
対策としては、朝に余裕を持ってトイレの時間を設定し、忙しさに紛れて便意をこらえないようにすること
#3 -弛緩性便秘
大腸の緊張低下、運動の鈍化により起こる便秘で、腸内容物の通過が遅れルために、水分が過剰に吸収されてしまうために、便が固くなり便秘が起こる。腹筋力の衰えにより起こり、特に老人や長期療養者、出産後の女性、デスクワークでじっとしている時間が長い人に多く見られます。
対策としては、繊維質多い食事と適度な運動
#4 - 痙攣性便秘
ストレスや自律神経のアンバランス、特に副交感神経の過緊張により起こり、人によっては、下痢と便秘が交互に起こる。結腸に痙攣が起こり、狭くなることで、便の通過が妨げられ、直腸に便が到達するのに時間がかかるために起こる便秘です。
対策としては、精神面に負担をかけすぎない、ゆとりを持った生活をする。香辛料や刺激の強い食事を避ける。
器質性便秘
クローン病、腸管の狭窄、ガンなどによる、腸管の病変により引き起こされる便秘のこと。
まとめると、便秘の主な原因は
食物繊維の不足:便秘の良く起こる原因。野菜、果物、玄米など精製されていない穀物の摂取などを心がける
水分補給の不足:水分を取ることで便をやわらかくし、体外に出しやすくする。
運動不足
薬の副作用
IBS(Irritable Bowel Syndrome)
妊娠中:ホルモンの変化と腹部の圧がかかることによる
高齢:年を取ると大腸の動きが鈍くなり始めるため
下剤の使いすぎ:薬に慣れてしまって、腸の動きが鈍くなり、バランスが崩れるため
ガン(極めて稀):腸にできたガンは下痢や便秘を引き起こし、体重が減ったり、血や粘液が便に出てくることがある。
機能性便秘の場合は、食生活、生活習慣を改めることでかなり改善できますが、以下のレメディも一緒に使ってみるのも良いでしょう。
器質性の便秘の場合も、症状から以下のレメディも使えます。
しかし、腸管の病変が起こった、根本的な原因を踏まえた、ホメオパシーのレメディの選択も考慮に入れて、ホメオパスと相談することをお勧めします。
#2 - 感情と便秘
旅行先で、普段の生活習慣が変わったり、食べ物が変わったりする一時的な便秘もありますが、長期にわたる便秘においては、感情との関係も気になるところ。
以前のブログ「病気の原因」では、症状と感情の関係についてお話ししています。
「病は気から」ともいうように、便秘と感情の関係についても触れておきます。
「排泄」は子供の頃の出来事と関係しているとも言われ、管理の厳しい親に対して、子供は主に二通りの対処をするそうです。一つは、出された食べ物を断るか受け入れるか。またはそれを排泄することを断るか受け入れるか。
便を出すということは、ある意味「降参」であり、便秘は便を保つことにより「自分にパワーがある」ことの気持ちの表れであるとも言われています。
時が経つにつれ、親は上司やパートナーなどの他の影響のある人たちが関わってきます。便秘は自分のパワーがないと感じたり、影響力のある人を恐れたりすることと関係していると言われています。
人間関係や、恋愛関係、金銭関係、旅行先で知らない土地に行くなど、安心でないと感じたり、落ち着きを感じられない時に起こるとも言われています。
肛門括約筋をギュッと締め、恐れや怒りをとどめて、その感情が留まっている。予定を入れて忙しくして、きちんと座って考える時間がないため、便秘はそんな感情を抑え込んでいる。
自分の感情を誤魔化さないで、きちんと表現し、表現したら、解放する。
便秘は表現できない、または潜在意識下の拒絶を解放できないことの表れで、便秘で便を出さないことが、自分にパワーがあり、それが安心感につながっていると言われています。
#3 - どうやって感情を解き放つ?
上記の内容から、便秘と関係する、心当たりの感情は見当がついたでしょうか?
周りの人にこうしたら喜んでもらえるかな?と行っても、自分には同じように扱えてもらえていない。
以前に、感情を表現して断られた経験があり、表現するのが怖くなっている。
そんな不条理と感じる感情が溜まってしまって、泣きたくなったような経験はありますか?
もし、そのようなパターンがあるのなら、自分をその都度素直に表現するとから、始めてみましょう。
表現することで、他人は「この人こうされるのが嫌なんだな」と理解してもらえます。表現しなければ、他人は「これやってOKなんだ」と、どんどん、個人の境界線の限界を押して来るでしょう。
自分の気持ちを表現し、相手にも理解してもらい、健康で、自分に素直になる状況を生み出すようにしてみましょう。
ずっと抑え込んでいた感情を、急に表現することは、最初はぎこちないかもしれません。でも、それもレッスン。自分で自分が心地よい方法を探し出してみてください。
うまく表現できない人は、まず書いて、体の外に感情を出す訓練から始めましょう。ブログ「ジャーナルをつけよう」では、ジャーナルの付け方のコツについて書いています。
#4 - 便秘によく使われるレメディ
一時的な便秘で、一般的によく使われるレメディを以下に挙げます。
Ambra Grisea
出かけた先で。公衆トイレや使い慣れないトイレだと恥ずかしくて出せない。
お子さんの場合だと、便が出るのに違和感があり(体の一部が出ていってしまう感じ)、怖くて出せなかったりすることがある。シャイですぐに恥ずかしがってしまう。
Alumina
旅行先で。旅行の予定が詰まっていてタイミングを逃し続けたとき。
硬く、乾いていて、塊の便を出すのがとても大変。便意を全く感じない、または直腸の辺りが痛かったりかゆかったりする。
Baryta Carb
便秘で固く節のある便を伴う時に。Calc Carbタイプよりも内気である。
Calc Carb
腸の動きが鈍い。便秘である方がどちらかというと落ち着く。便が大きく硬い。
Hydrastis
便秘がひどく痔になりそうで、痛みがひどく、出血が見られることもある
妊娠中のしつこい便秘に。便秘に伴う痔がある時にも。肛門が擦り切れている感じがして、便が出た後も痛みが残る。便秘の時に胃が下がったような感覚を伴うこともある。
Lycopodium
硬くて、小さい、もっと出そうな気がするけれど、完全に出し切れない感じ。お腹の張りやガスが多く感じる。
悪臭の強いガス、お腹の張り。特に午後に疲れを感じる。
Nat Mur
硬く、乾いていて、固形にならない便、またはどんなにいきんでも少しの小さいコロコロとした便しか出てこない
月経前に上記の症状が起こる
グルテンに過敏の場合で、胸焼け、吐き気、お腹の張り、食欲にムラがあり、疲れている
Nux Vomica
便意をもよおしているが、なかなか出てこない。出そうと思ってトイレに行っても出てこない。
上記の状態が、特に下剤を飲んで状態が悪化してきた場合
詰まっている感じがしてイライラしている
月経前に上記の症状が起こる
Opium
とても頑固な便秘で、便が動く気配も全く感じないときに
Sepia
直腸あたりに重みを感じていて疲れてイライラしている
月経前に上記の症状が起こる
Silica
直腸が麻痺している感じがする。便がいったん出てきそうだったけれど、また引っ込んでしまうようなとき。一生懸命いきんでも、柔らかい便が出て、疲れ切ってしまう。
妊婦さんの場合は、このレメディの使用については、ホメオパスとチェックしてから使ってください。
Sulphur
小さく固く乾燥した便。下痢と便秘が交互にある時もある。特に子供では痛みを怖がり、便を出したくなくなることもある。
これらのレメディは、一時的な便秘に使うレメディです。慢性便秘の場合は、生活習慣や、上記のような、感情との深い関わりも考えられます。
これらのレメディを試してみても、繰り返し便秘が起こる場合には、ホメオパスと相談することをお勧めします。
#5 最後に …
単純な便秘なら、上記のレメディを使いこなしてセルフケアにぜひ役立ててください。
ただし、慢性の便秘、また、大腸がんやクローン病など大きな病気が隠れている場合のありますので、症状が長引いたり「おかしいな?」と思った時には、速やかに医師に相談してください。
ホメオパシーレメディのポテンシーと投与量については、こちらのブログをご参考ください。
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Love and gratitude
Hiroko
Reference :
Your Body Speaks Your Mind, Deb Shapiro. Piatkus Books Reprinted 2008
新訂目で見る体のメカニズム、堺章、医学書院
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