〜転機をスムーズに過ごしていくためのコツ〜
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女性ホルモンのバランスを整えるため、また、更年期においては、ホメオパシーがよく使われる分野の一つです。
「イライラ」「動悸」「のぼせ」「ほてり」「めまい」「不眠」など、出てくる症状は、多岐に渡り、個人差が大きいのも特徴の一つ。
更年期は動物には少なく、人間独特のものと言われています。人間という歴史が始まって以来、どの女性も歳を重ね、その時期が来ると誰でもが経験しているはずなのに、まるで病気であるかのように、深刻に取り扱われている現代。
なぜにもこんなに悩む女性が多いのでしょう?
#1 -「更年期」の捉え方
「更年期」において不安を抱えている女性は多く、半数以上の女性が、更年期を迎えることに「落胆」すると言うデータも出ています。
「子供を産む機能が衰え、女性としての価値を感じられなくなる」など、「歳をとり、老いていく」印象が強く、「もう若くない」という印籠を渡されたような「喪失感」に悩まされる女性が多いと言われています。
本当に失うことばかりなのでしょうか?
新しい見解
今まで、女性は「卵を一定の数を抱え、毎月月経が来るたびに排卵する。そして持ってきた卵を成熟させてくるため、歳をとると、卵の質が衰え、またなくなっていく」ということが言われてきました。
しかし、同じように「更年期」を持つ、哺乳類動物のシャチの研究で、どうも「そうでもないらしい」ことがわかってきたそうです。
その研究によると、「どうやら、卵は作り続けているようで、時期が来たら、それがストップするようになっている」のだそう。
ある一定の時期に来たら、「更年期」がやってきて、若い世代の面倒を見ていくようにすることが、その種において、子孫を維持していくために、「最善」の方法であるようだ、との見解も出てきています。
人間の体は、神秘的で、未知な部分が、まだまだたくさんあるもので、今後の研究に注目したいところです。
「自由」の獲得
また、「歳をとる」ことに対する不安は、「男性から見た考え方」であるとの見方もあります。どこの文化でも「男性主導」の状態が長く続いたところは多いもの。
この女性を「子供を産む」という、「子孫繁栄」における、「物理的な存在」だけに焦点を当てる考え方に、否定的な意見もあります。女性が「若い」「生殖機能を持つ」ことだけに価値を見出す考え方です。
また、宗教によっては、月経のある期間は「汚れている」と見做し、家族から距離を置くように扱われていることも。
「更年期」を迎えることで、「男性の束縛から解放される」という考えを持つ人もいるようです。
「叡智」の象徴
更年期のことを「Wise Woman」(知識の豊かな女性)とも表現し、女性の知性を敬う言い方もあります。
1493年に生まれ、活躍したスイスの医師、化学者、錬金術師、神秘思想家であるパラケルススも
”A doctor must be seek out old wives, Gypsies, sorcerers, wandering tribes, .... and learn from them”
「医師は年配の奥さんや、ジプシー、魔法使い、放浪する部族たちを捜し求め・・・・彼らから学ぶべきである」
と言っていたそうで、年配の女性や部族たちが持つ知識を尊重していた記録がここにも残っています。
また西洋では「魔女狩り」と言うものが行われてきて、植物など、自然の叡智を生かして、人を癒してきた人たちを、皆殺しにしてきた歴史があります。
「魔女」というと日本では、ディズニーの物語、「白雪姫」や「眠れる森の美女」などの出てくる、黒い衣装を着た、「意地悪な魔女」を想像すると思います。しかし、実際に「魔女」と言われていた人たちは、その多くが女性で、長年言い伝えられてきた知識を活かし、人を癒す人たちだったと言われています。
この西洋における「魔女狩り」は、どうやら、「知識の豊富な女性の存在を、疎ましく思った、男性主導の宗教的な背景が関わっている」とも言われているそうです。
上記のように、調べていくと、「更年期」に対する考え方も、歴史を経て、変わってきたものもあるようで、何も「若さを失うものだけでない」こともわかってきます。
女性は、男性と違った視点から、生きていくために必要な知識を蓄えていきます。毎日の生活の中から生まれ、工夫して培ってきた、その「豊富な知識」を持ちえた自分を、どうぞ讃え、誇りにしてください。
#2 - 大きく個人差のある「更年期」の症状
女性の「更年期」の症状は、それぞれ個人差が大きいのが特徴です。「自身の更年期の症状は母親が辿った症状と似てくる」とも言われています。機会があれば、実際に母親とお話しして、「いつ頃迎えたのか?」「どんな症状があったのか?」など、早いうちから、知っておくといいでしょう。
そうすると、大体の自分の「更年期」の目安がわかってきます。
また、友人とオープンに恥ずかしがらずに話していくことで、悩みをシェアし、お互いの知識を交換することも、一つの方法でしょう。
ホメオパシーの観点から見ると、更年期の症状は、「それまでの月経の状態」、「ピルを使ったことがあるかどうか」、「生活習慣」、「ストレス状態」などにより、アプローチが変わってきます。
生活習慣
「生活習慣」においては、普段から、食べるもの、身の回りに使うものに注意することが大事となってきます。
現在は、人工的な添加物が使われている食品が、多く出回っています。さらに、普段使う化粧品、洗剤なども含め、「環境ホルモン」と言って、ホルモンバランスを崩しやすくなるものも出回っています。肌に付けたり、呼吸することで肺から入って行ったりする経路も忘れてはならないでしょう。
普段から使うものは、自然由来のものを使うようにし、ホルモンを乱すような化学物質に「暴露」されないよう、気をつけていきましょう。
ストレス
人は「fight and fright(戦いと恐怖)」と言って、ストレスレベルの高い時には、体はストレスを乗り越えることを優先して、生き残ろうとします。この時、体は「ストレスを乗り越えるため」のホルモンを使うことに優先されるため、「生殖関係のホルモン」のバランスが乱れ、月経がストップしたり、女性ホルモンのバランスが崩れたりします。
普段から、「ストレス管理」は、ホルモンバランスを整えるために、とても重要な鍵となってきます。
月経が1年以上止まった状態になった時に、そこが「更年期」と言われており、その2年から12年前の状態を「プレ更年期」と呼んでいます。
女性の「プレ更年期」に差し掛かる40代は、「子供が育ってきて手が離れてきた」ことで、自分の今後の人生を見直したり、「仕事に復帰」したり。また、仕事を続けてきた女性は「重要なポストを任される年代」に入ってきたり。
今まで夢中で駆け抜けてきた20代、30代とは違って、転換期となって、今後の人生を考え直したり、ストレスを抱えている女性も多いことでしょう。
日頃から、自分の「ストレスパターン」を見直し、「ストレスレベルを下げる方法」を見つけていくことが大事となってきます。
「自分」を大切にできるのは、「自分」であることを忘れずに。
#3 - ホメオパシーでできること
ホメオパシーでは、上記の「個々それぞれの状態」と、「現在出ている症状の特徴」をもとにして、個人に合った処方を選択していきます。
「生活習慣」について話し合い、見直すことも大切ですし、また、「ストレスを抱えやすい性格」の場合は、そのパターンを見直し、ホメオパシーのレメディでを使って、サポートしていきます。
「更年期」に使うレメディは多岐に渡り、個人差が大きい処方です。
その中でも、問い合わせの多い「寝汗」「ほてり」で使うレメディの一部の例をここに紹介しますが、ホメオパスにアドバイスを受け、個々に合った、処方してもらうことを強くお勧めします。
Sepia (セピア):
ほてりが夕方、夜に悪化し、ちょっとした動きで、汗をかく。疲れがち。体を動かすことで気分が良くなる。愛する人に対してみじめになり、無関心、冷淡になる。
Lachesis (ラケシス):
ほてりが顔に現れ、腹部に締め付け感を感じる。夜に悪化。不眠、集中力に欠け、失神しがち。ピタッとした服を嫌う、特に首の周り。活動的で、はしゃいでおしゃべりになりがち。朝起きた時に頭痛が起こりがち、左側に症状が起こる事が多い。疑念を抱き、嫉妬深い。
Pulsatilla (プルサティラ):
発汗とほてりが顔に出る。夜に悪化。あったかい部屋、室内で悪化し、外気、新鮮な空気で良くなる。気分が落ち込みがちで涙もろい。むくみなども起こりがち。人と一緒にいることで気持ちが落ち着く。
Amyl Nitrosum(アミル ニトロサム) :
首の辺りが詰まったようで熱を感じる時に。不安や動悸と共にほてりや頭痛がある。外気で症状が軽快し、首の辺りの締め付けが強い服、熱、締め切った熱い部屋、ちょっとした感情の不安定さから症状が悪化する
Belladonna(ベラドンナ) :
頭が詰まったよな感じがして、顔が赤くなる。突然ほてりが出たり、引いたりする。肌が焼けるように熱く、服で覆われている部分のみ汗をかいたり、熱く感じる。座っていると落ち着き、横になると悪化する。
Calc Carb (カルク カーブ):
頭の部分だけ汗をかく。疲れやすく、顔や頭の方に血がのぼる感じがして、ほてり、汗が出る。食べた後に悪化。寒さに敏感で膝や足が冷たく感じる。乾燥した天気で軽快し、寒さ、湿気、満月や頭や体力を使った時に悪化する。
Glonoin (グロノイン):
頭のみに熱を感じ、顔は普通で変化ないときに。特に感情が激しい時に、体がドクドクした感じで、動悸がする。熱、日光、刺激物、横になることで症状が悪化し、外気に触れたり、頭を上げることで軽快する。
Graphites(グラファイテス) :
青白い顔でありながら、ほてりを感じる。匂いの強い生理がある。体重が増えやすい。皮膚が乾燥して不健康である。包まることで軽快し、夜に悪化。
Sulphur(サルファー) :
夜ベッドの暖かさからほてりが出て、焼けるような感覚と痒みを感じる。頭は熱っぽいが、足は冷えている。顔に汗をかき、体からは匂いのする汗が出る。頭に血が上るような感覚があり詰まった感じがする。乾燥したあったかい天気で軽快し、立っている時、シャワーやお風呂、ベッドの熱で悪化する。
4. まとめ
「更年期」に対する見方が、時を経て変わってきていることを念頭に置いて、あまり落胆しすぎないようにしてください。
このブログが、私と同じような年代、また若い年代の方々が、「少しでも元気になってくれるといいな」という願いを込めて、書きました。
失うことばかりに目を向けず、得られるものにも焦点を当てて、前向きに過ごしていきましょう。
秘訣としては:
更年期を迎える前、12年くらいからは、自分をいたわり、大切ににし、「自分を愛すること」にも時間をかけるようにしてください。この時期の過ごし方で、ホルモンバランスを安定させることにより、その後の体調にも影響が少なくなってくると言われています。
Hiroko Homeopathyにおいても、個々の状態にあった、ホメオパシーのコンサルテーションを行なっています。
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Love and gratitude
Hiroko
参考文献 :
・Women Ripening through the Menopause, Melissa Assilem Helios Pharmacy, Third Edition 2003.
・Period Repair Manual, Lara Briden. Greenpeak Publishing. Revised Second Edition 2018
・Hormone Repair Manual, Lara Briden. Greenpeak Publishing. First Edition 2021
・The Modern Guide To Witchcraft Your Complete Guide to Witches, Covens & Spells, Skye Alexander, Adams Media. First Edition 2014